[Ctrl]の位置が物語る設計思想

では,NECのPC-98やMacのように[Ctrl]キーが左手でしか押せないようになっているキーボードの設計者は, [Ctrl]キーがどのように使われるキーだと想定していたのでしょうか.

[Ctrl]が左手小指でしか押えられないとなると,[Shift]のようにクロス打ちをすることはできませんから, [Ctrl]をコンビネーション・ストロークに使うと,ユーザーに変則的な押し方を強要することになるわけで, 少し疑問を覚えます.したがって,

と推測したくなるのですが,こう考えると[Ctrl]が例えば[Tab]のように単独で押されるキーだということになり, 実際にそういう使い方をする場面が全くないことと考えあわせると,やはり何か疑問がのこります. もちろん「設計者は[Ctrl]を単独で押されるキーと想定していたのに, ソフトウェアを作る人たちがコンビネーションで使うようにソフトウェアを作ってしまった」と考えられなくもないのですが, そうだとすると実際に設計者の想定通りに作られているソフトが全く見当たらないのはおかしいように思います (もしかしたら想定通りのソフトもあるのかな?).


他には考えられそうな理由は,

などですが,いちばん妥当だと思えるのは最後の「設計時点では[Ctrl]キーの機能は未定義だった」というものでしょうか. コンピュータの世界の仕様策定ではよくある話ですから.


Takashi HATAI