野外の水の安全性

• 野外で飲料水として利用できるのは，継続的に水質調査が行われて安全性が確認されている水のみ．
• 川などの地表水は基本的に飲めない．
• 地下水が岩稜などの露頭からでてきている湧水は飲める可能性がある．

• 飲めない理由は大きく2種類．
  • 原生微生物などの病原体．煮沸により飲用可能になる場合もある．
  • 鉱物などの有毒物質の混入．

エキノコックス

• キツネ，イヌを終宿主（成虫が寄生する宿主）とする寄生虫．
  • ヒト，ブタ，ネズミは中間宿主（幼虫が寄生）．
• ヒトへの感染源は汚染された生水．
  • 虫卵を経口摂取することでのみ感染．
  • 幼虫が寄生したブタ肉を食べても感染しない．ブタは幼虫だけが寄生する中間宿主で，幼虫は卵を産まないため虫卵が存在しない．そのためヒトへの感染はおこらない．
  • 同様にヒトからヒトへの感染もしない．ヒトが中間宿主であるため．
• 発生地域
  • 北海道．
    • 20世紀に入って千島・樺太から移入したキツネが持ち込み定着．
    • 現在は北海道全域に定着．
  • 愛知県知多半島．
    • 2014年にイヌ（野犬）から検出[7][8]．
    • 2018年に厚生労働省が阿久比町を中心とした地域に定着と判断[9][10]．
  • 1999年8月に青森のブタ3頭の肝臓から幼虫が発見[4]されているが，10年間の継続調査の結果，もともと感染していた北海道産のブタが移入されたものだろうとの結論になっている[5]．

イヌへの感染

• 感染経路
  • 中間宿主であるネズミの捕食（放し飼いのイヌ，ネコと一緒に飼われているイヌに多い）．
  • 感染したウシ，ヒツジなどの臓器を食べることによるもの．
  • ヒトの場合とは逆に，イヌは虫卵を直接摂取しても感染しない．幼虫が寄生した野ネズミなどを食べることで感染する．
• エキノコックスはキツネやイヌなどには特に害を及ぼさない．
• イヌ用には1回で100%効果が期待できる駆虫薬（プラジクアンテル製剤[11]）がある． ヒトに感染した場合のみ，約10年の潜伏期間をおいて重篤な症状（エキノコックス症）を発症する．治療には外科的手術による切除しかない．

Links

参考　水の分類

• 海水 97.5%
• 淡水 2.5%
  • 大部分が極地の雪氷（氷山など） 70%
  • 地下水（groundwater） 29.6%
  • 地表水（表流水，surface water） 0.4%（地球上の水全体の 0.01%）

Links

• 環境省 - 環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書 - 平成22年度版 - 第4章　水の星地球－美しい水を将来へ－
• Wikipedia - Water
• 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ - 地下水（井水）利用のメリット・デメリット